りんごの小枝がはんこの印材(素材)として使用出来るようになるのは、1年間程の期間が必要となります。
安曇野の2月は、はんこの素材でもあるりんごの木の剪定の季節です。
上方に伸びた枝は、日当たりが良いので樹勢も強く、すぐに太い枝になるため下にある枝や実たちの成長の妨げになります。 また、側枝はすべて間引きしていきます。
印材に使用しているリンゴの木の枝は、全て冬季に農家の方が不要な枝を切り落としたものを使用しています。
本来ならそれらは畑の一か所に集められ燃やされてしまうのですが、私たちは農家の方にお願いして枝を譲り受け、はんこの印材として再生加工します。
りんごの木の剪定 ~ 印材になるまで

落ちた枝を丁寧に拾い、軽トラに乗せて加工場へ運びます。

細い枝がついたりんごの木がいっぱいです。

細い枝を切り落とします。

30センチ程度の大きさにカット、ずん胴鍋で煮こみます。

煮込んだ後、今はあつあつのうちに皮を剥きます(先に冷える皮をむくのが大変。)

洗浄することで真白な地肌も映えてきます。ぬめりやアクも取り除きます。
洗わないと木の真皮は魚の鱗のように滑りがあり、そのまま乾燥させてしまうと見た目も汚くなってしまいます。
寒い冬場の作業なので手が悴み大変ですが、大事な大切な工程なのです。

このあと1年ほど乾燥させます。節がなく癖のないほんの一部が絵をいれて印材になります。
下記はトールペイント印材です

でも印材に出来るのはこの中のほん一部・・・
そのほかはストラップや箸置きなどに生まれ変わります。